以下では, \(\Gamma=SL_2(\mathbb{Z}), P\Gamma:=PSL_2(\mathbb{Z})\)とし, \(G:=\Gamma_1(11), PG:=P\Gamma_1(11):=<-I_2>G/<-I_2>\subset P\Gamma\)とする.
\(S_2(G, \mathbb{C})\simeq H^0(X_1(11), \Omega^1)\)の次元は\(X_1(11)\)のgenus gであり, \(p:X_1(11)\rightarrow X_1(1)\simeq \mathbb{P}^1\)に対してHurwitzの公式を用いると
\(2g-2=[P\Gamma:PG]\cdot (-2)+\sum_{P:\text{ramification point}}(e_P-1)\)
を得る. ここで\(P\Gamma:PG]=[\Gamma:G]/2=\frac{1}{2}\cdot11^2(1-\frac{1}{11^2})=60\).
pの分岐点 \(P\in X_1(11)\)は, \(p(P)\)のファイバーのサイズが\(60\)より真に小さいものである. このようなPは少なくとも\(p(P)\)が\(X_1(1)\)のカスプであるか, 楕円点であるかのいずれかである. 実際, いずれでもなければ\(P)\)に対応する上半平面の点への\(P\Gamma\)の作用の安定化群は自明で,これより\(p(P)\)のファイバーのサイズが60であることが簡単にわかる.
\(p(P)=\infty\)の時, \(\sum_{P|\infty}(e_P-1)=(\sum_{P|\infty}e_P)-|cusp_G|=60-10=50.\)
ここで, \(cusp_G\)は\(X_1(11)\)のカスプ集合のことで, これは\(G\backslash \mathbb{P}^1(\mathbb{Q})\)に対応するので, サイズは\(11-1=10\).
\(p(P)\)が安定化群の位数2の点\(v_2\)の時, \(v_2\)の上の\(X_1(11)\)の点のサイズは\(60/2\)である. これは, \(G=\Gamma_1(11)\)がtorsion-freeであることから簡単に従う. よって, 上記と同様にして
\(\sum_{P|v_2}(e_P-1)=60-60/2=30\)
\(p(P)\)が安定加群の位数\(3\)の点\(v_3\)の時, 同様に
\(\sum_{P|v_3}(e_P-1)=60-60/3=120/3=40.\)
以上から, Hurwitzの公式に代入することで
\(2g-2=-2\cdot 60+50+30+40=-120+120=0\)
ゆえに, \(g=1\)であることがわかる. したがって, \(S_2(G, \mathbb{C})\)があるカスプ形式\(f=q+\sum_{n}a(n,f)q^n\)で生成されるベクトル空間であることと,
\(X_1(11)\)が楕円曲線であることが分かった.
この\(f\)の\(q\)展開係数\(a(n,f)\)を知るにはどうしたらよいか? \(11\)は素数で重さ2, weight 1のカスプ形式は存在しないので, \(f\)はNew formで, 正規化されたヘッケ固有形式である. よって, \(a(n,f)\)は ヘッケ関係式により\(a(p, f)\)の多項式で明示的に書けるので, 素数\(p\)に対して\(a(p,f)\)を計算すればいい. 次のことを示した.
Claim: pが, 2, 11でないとする. この時
\(a(p,f)=-\sum_{x\in \mathbb{F}_p}(x-1,p)\cdot (x^3+x^2-3x-1,p)+1+\delta,\)
但し, \(\delta\)は\(x^3+x^2-3x-1\)の\(\mathbb{F}_p\)における解の個数である. これは, たとえば, (-11,p)=-1であれば\(\delta=1\)である.
また, \((X, p)\)はルジャンドル記号とした.
\(a(p,f)\)の計算をする方法は二つあって,
1つ目: 楕円曲線\(X_1(11)\)の定義方程式を明示的に与え, それの\(\mathbb{F}_p\)-valued pointsのサイズを計算して導出する方法.
2つ目: Jaquet-Langlands対応をつかって計算する方法.
今回は1つ目の方法を用いて計算した. この計算は, Kubertの方法を使って簡単に行えるので書かない.
具体的に様々なNで\(X_1(N)\)の定義方程式の計算をしたひともいる.
2つ目の方法でも計算できるはずだが, まだ計算できていないので, 時間があるときに計算してみて, 比較したものをまとめてみたい.